ものづくり補助金、2つの補助対象事業
Ⅰ.「革新的ものづくり開発支援」
中小ものづくり高度化法で定められた、12種の特定ものづくり基盤技術を応用することが条件となっています。
具体的には、
1.デザイン開発 2.情報処理 3.精密加工 4.製造環境 5.接合・実装 6.立体造形 7.表面処理 8.機械制御 9.複合・新機能材料 10.材料製造プロセス 11.バイオ 12.測定計測
のどれかの分野の技術を活用し、革新的な試作品開発や生産プロセスの改善を行う事業ということになります。
Ⅱ.「高度生産性向上支援」
Ⅰ.「革新的ものづくり開発」の生産工程において、IoTなどを用いた設備投資を行ってその生産性を向上させ、「投資利益率5%」を達成するような取組みが補助対象とされています。
最終的な成果として「投資利益率5%」という具体的な数字もあげられていますが、当然ながら申請時点では目に見える結果は出ていません。
そのため、将来的に「投資利益率5%」が達成されると審査員が確信できるような、具体的かつ、実効性の高い事業計画が重要なポイントとなります。
ものづくり補助金、3つの類型
実際の申請にあたっては、補助対象事業をさらに細分化した3つの類型から最適なものを選んで申請することになります。
類型ごとに、補助の上限金額や補助対象となる経費などが異なります。違いをよく理解したうえで、自社の事業計画に最適な類型を選び、申請しましょう。
A.「革新的ものづくり開発支援:一般型」
補助上限額1000万円で補助率は総事業費の2/3以内、対象経費は、機械装置費・技術導入費・運搬費・専門家経費で、用途に必ず設備投資が必須です。
B.「革新的ものづくり開発支援:小規模型」
補助上限額が500万円で、補助率はこれも総事業費の2/3まで。対象経費はAのそれに加え、原材料費や外注加工費・委託費・知的財産権等関連経費・クラウド利用費など幅広く認められます。もちろん設備投資もできますが、必須ではありません。
C.「高度生産性向上型」
補助上限額は最大の3000万円となり、補助率はこれも総事業費の2/3まで。対象経費はAと同じで設備投資が必須です。
※設備投資とは補助事業で使う機械・装置や工具・器具、ソフトウェアを取得するための経費のうち、単価が50万円以上(税別)を計上する場合を指します。
ものづくり補助金、類型選定の「コツ」
まずは、必要な投資額をベースに、どの類型で申請するかを検討してみると選びやすいです。例えば1000万円では、まかないきれない設備投資が必要な事業であれば、類型Cの「高度生産性向上型」が当てはまります。
なお、500万円以下で、設備投資以外にの幅広い経費として、補助金を活用する場合ならば、類型B「小規模型」を選びます。補助金の上限額と設備投資の有無などをよく勘案しながら選択していきましょう。
ものづくり補助金対象事業
補助上限額 | 補助率 | 設備投資 | 補助対象経費 | |
A.革新的ものづくり開発支援:一般型” | 1,000万円 | 総事業費の2/3以内 | 必須 | 機械装置費、技術導入費、運搬費、専門家経費 |
B.革新的ものづくり開発支援:小規模型 | 500万円 | 総事業費の2/3以内 | 可能だが必須ではない | 機械装置費、技術導入費、運搬費、専門家経費、原材料費、外注加工費、委託費、知的財産権等関連経費、クラウド利用費 |
C.高度生産向上型 | 3,000万円 | 総事業費の2/3以内 | 必須 | 機械装置費、技術導入費、運搬費、専門家経費 |
※設備投資とは、専ら補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具(測定工具・検査工具、電子計算機、デジタル複合機など)および専用ソフトウェアの取得のための経費のうち、補助対象経費で単価50万円(税別)以上を計上する場合を指す。
※設置場所の整備工事や基礎工事は補助対象経費として認められていない。
続いて、ものづくり補助金、申請から交付までスケジュール について見ていきましょう。
ものづくり補助金、申請から交付までスケジュール